長野を雪の季節で知るオーストラリアの方は少なくありません。白馬、野沢温泉、志賀高原には長年多くの人が通い、東京からの新幹線が、パウダースノーへの最初の入口にしてきました。けれども同じ山々を秋に見た人は多くありません。リフトが止まり、谷が実りの季節に変わるころです。戸隠では新そば、小布施では栗、千曲川沿いではぶどう、そして高原から色づきが下りてきます。

この記事は、スキー場をすでに知っていて、9月半ばから11月初めのもう一つの長野を見たい方のためのものです。戸隠の奥社への道、北信の谷の食卓、善光寺の朝の法要、そして泊まる宿をまとめます。神社、寺、酒蔵、宿、交通会社、観光団体の公式の頁と、観光庁とJNTOの統計を読み、どこにも問い合わせはしていません。出典は最後にまとめています。冬については冬の日本 雪の中の猿とパウダースノー →をご覧ください。

要点

秋の長野のご相談 →


同じ山を別の季節に

オーストラリアの方は日本に長く滞在し、また戻ってきます。観光庁の調査では、2025年に観光・レジャー目的で訪れたオーストラリアの方の平均の泊数は約13.2泊、およそ42%が2回目以上の訪日でした。そのうち17%が長野を訪れ、北海道を上回っています。JNTOによれば、2025年のオーストラリアからの訪日客は1,058,396人で、前年より15.0%増えました。

長野は見知った土地です。だからこそ、二度目の旅で深く入っていけます。北陸新幹線のいちばん速い「かがやき」なら、東京から長野駅まで約80分。そこから、この記事で書く場所はどれもおよそ1時間のうちにあります。北西の山あいに戸隠、北東に小布施と湯田中・渋の温泉、南と東にワインの谷です。

戸隠と杉並木

戸隠神社は、ぎざぎざとした山の裾に広がる五つの社です。奥社、中社、宝光社、九頭龍社、火之御子社。歩く価値があるのは奥社への参道です。車は入れません。入口から随神門まで約15分、奥社まで約40分、全体で約2kmあり、随神門から先の約500mは樹齢400年を超える杉の並木です。

秋の戸隠は、国内でも指折りの短い散策路になります。戸隠観光協会によれば紅葉の見頃は例年10月中旬ごろから。今年は10月1日に神社が葉がうっすらと色づいてきたと伝え、10月17日には中社のあたりも色づきが進んでいました。いま訪れる理由は季節そのものにもあります。奥社と九頭龍社は1月7日から4月下旬まで閉殿し、冬はバスも奥社入口まで行きません。

もっと長く歩くなら、戸隠古道があります。奥社と善光寺を結ぶ昔の参詣の道で、歴史の道百選に選ばれ、道沿いには30の石柱が立っています。観光協会は熊よけの鈴を持つよう勧めており、森がいまも深いことがわかります。ガイドが付き添い、着いた先に車が待っていれば、無理のない一日になります。

中社と宝光社の下には、古い宿坊が坂に沿って並びます。一帯は国の重要伝統的建造物群保存地区で、いまも客を泊める宿坊があります。中社の宿坊「極意」は400年続く家で、茅葺の屋根は国の登録有形文化財です。日帰りの人が来る前に社が戸口にある一夜は、スキー場のシャレーとは違う静けさです。

そば処のそば

戸隠そばは日本でもよく知られたそばです。長野県の公式観光サイトは、その始まりを平安時代の修験者の携帯食にたどり、名物の「ぼっち盛り」を紹介しています。一人前を5〜6束の小さな束にして、戸隠の竹で編んだ丸いざるに盛る形です。秋には新そばが出ます。今年のそば祭りの食べ歩きは9月1日から10月4日まで、中社の広場での献納祭は10月30日でした。

楽しみは素朴で、時期がすべてです。奥社を歩いたあとの遅めの昼に、そばの育つ土地で、新しい粉の冷たいそばをいただく。私たちは、歩いたあとに食卓が来るよう一日を組みます。

殻付きの新しい栗

小布施の栗と北斎

小布施は栗畑と古い蔵の町で、駅から中心まで歩いて約10分です。一説には1367年にこの地で初めて栗が植えられ、江戸時代には松代藩が毎年秋に小布施の栗を江戸の将軍へ献上していました。小布施堂は1923年から栗菓子を作っています。いちばん求められる「朱雀」が出るのは9月中旬から10月中旬のおよそ1か月だけで、予約は8月ごろに始まります。

町のもう一つの宝は葛飾北斎です。北斎館では、北斎が二つの祭屋台に描いた天井絵、上町祭屋台の「男浪図」「女浪図」と、東町祭屋台の「龍図」「鳳凰図」を見ることができ、2026年に開館50周年を迎えました。開館は9時から17時です。

同じ町並みにある桝一市村酒造場は1755年の創業です。木桶で仕込み、造るのは年に約300石、およそ54,000リットル。長野県のおよそ97の酒蔵の中では小さな蔵です。試飲の場「てっぱ」は9時30分から17時まで。この蔵で過ごす午後と栗の昼食、北斎との1時間で、日本でも屈指の満ち足りた小さな町の一日になります。

日の出の善光寺

長野市の善光寺では、一年のどの日も朝の法要「お朝事」が営まれます。寺の言葉では、日の出とともに本堂で始まり、参列する人は内々陣に入ることができます。続いて、導師の数珠で授ける「お数珠頂戴」が毎朝4回行われ、寺はどなたでも受けられるとしています。そのためには夜明け前に起きることになり、長野か小布施の宿に泊まり、戸口に車を待たせておくのがいちばん楽です。

ワインの谷と高原

オーストラリアの方にとっていちばんの驚きは、ぶどう畑かもしれません。長野県のワイナリーは2026年2月の時点で93。そのうち48が、小布施や上田のそばを流れる千曲川沿いの千曲川ワインバレーにあります。ワイナリーをめぐる一日は、運転手とともに、あらかじめ選んだ数軒を訪ねるのがいちばんです。日本のもう一つのワインの地については山梨の日本ワイン:甲州と勝沼のワイナリー →をご覧ください。

その上では、志賀高原が一度の車の旅で季節を見せてくれます。志賀高原観光協会によれば、色づきは9月下旬に横手山と渋峠、標高2,307mのあたりから始まり、10月上旬に高原全体が見頃となって10月下旬まで続き、標高約1,500mの池のまわりは10月10日ごろから色づきます。年によっては10月中旬に初雪が降ります。

泊まる宿

小布施の桝一客殿は、市村家の醤油蔵の跡に2007年に開きました。移築した土蔵と江戸時代の文書蔵を使った12室で、設計はジョン・モーフォードです。朝食は向かいで、夕食は予約制で小布施堂の本店でいただけ、栗の町のまん中に身を置くことになります。

温泉なら、志賀高原の麓に湯田中と渋があります。湯田中のよろづやは、総木造の桃山風呂で知られ、2003年に登録有形文化財となり、自家源泉3本の湯を引いています。渋の金具屋は文化財の木造建築で、源泉かけ流しの八つの湯があります。南の戸倉上山田温泉では、亀清旅館に貸切露天や露天風呂付きの部屋を含めて八つの湯船があります。

5〜6泊なら、こんな形が合います。小布施に2泊して栗と北斎と酒蔵を、戸隠の宿坊に1泊して奥社の参道とそばを、湯田中か渋の温泉宿に2〜3泊して高原とワイナリーの一日を。長野からは北アルプスへ、あるいは列車で南の京都へ進み、11月の日本:紅葉と歩く旅 →へつなげられます。夏の北アルプスについてはオーストラリアの冬は日本の夏:北アルプスへ →をご覧ください。

7〜21日の旅を計画する Signature では、宿、宿坊、車、古道のガイド、ワイナリーの訪問を手配し、ご希望の日程で小布施堂に「朱雀」をお願いします。お席と日取りはお店の判断によります。それぞれといちばん簡単な方法で精算します。ふつうはお部屋付けか当日のお支払いです。

出典と確かめ方

2026年11月5日に、下の頁を読みました。観光庁の数字は観光・レジャー目的で訪れたオーストラリアの方のもので、2回目以上の割合は100%から初めての訪日の割合を引いたものです。移動時間は丸めています。神社、寺、酒蔵、宿、そのほかどこにも問い合わせはしていません。

よくあるご質問

スキーの季節以外に長野を訪れるならいつがよいですか

9月中旬から10月下旬です。小布施の栗、戸隠の新そば、高原の紅葉がこの数週間に重なります。戸隠の紅葉の見頃は例年10月中旬ごろからです。

長野駅から戸隠まではどのくらいかかりますか

約1時間です。長野駅から出る予約制の観光特急戸隠線で奥社入口まで約59分、2026年は4月1日から12月4日まで運行しています。車でもほぼ同じです。

冬に戸隠の奥社まで歩けますか

奥社と九頭龍社は1月7日から4月下旬まで閉殿し、冬はバスも奥社入口まで行きません。参道を歩き通すなら秋の季節です。

小布施ではどこに泊まればよいですか

醤油蔵の跡に建つ、蔵を使った12室の桝一客殿です。夕食は予約制で向かいの小布施堂でいただけます。温泉なら湯田中と渋が車ですぐです。

長野はワインの産地としてよいところですか

日本でもっとも盛んな地の一つです。県内のワイナリーは2026年2月の時点で93、そのうち48が小布施や上田のそばを流れる千曲川沿いの千曲川ワインバレーにあります。

秋の長野のご相談

旅のできる時期と、すでにご存じの長野の場所をお知らせください。その季節に合う宿と歩く道と食卓を、それぞれの理由とともにご提案します。

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手配するお店やバーには、紹介制や会員制のところもあります。お客様に代わってお願いし、お席と日取りはお店の判断によります。名前は公開していません。

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