シンガポールには四季がなく、郊外まで出ても団地が続くため、季節の景色や自然を求めて海外へ旅する人が多いと言われます。日本政府観光局(JNTO)は2025年の市場の手引きでこの点を挙げ、温泉についての声も伝えています。滞在中に一度は温泉旅館に泊まりたいという人が多く、決まりを気にせずに過ごせる貸切風呂を望む人もいる、というものです。同じ手引きは、シンガポールで評価の高い九州の旅行地として大分の湯布院と熊本の黒川温泉を挙げ、日本を訪れる回数が多い人ほど地方をよく知り、訪れていることにも触れています。

この記事は、そうした二度目、三度目の旅のためのものです。九州の山あいにある二つの温泉地、湯がその部屋だけのものになる宿、そして二つを結ぶ道をご紹介します。2026年11月5日に、各旅館、黒川温泉観光旅館協同組合、JR九州、シンガポール航空、JNTO、気象庁の公式の頁を読み、どこにも問い合わせはしていません。出典は最後にまとめています。福岡から長崎までの九州全体は九州:東京と京都の次にどこへ行くかに、旅館の部屋の格の見分け方は日本の旅館の選び方にあります。

要点

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二度目の日本に九州の山あいが合うわけ

JNTOによれば、シンガポール航空の福岡への毎日の直行便と、九州の各県が続けてきた誘致の効果もあって、九州のツアーはシンガポールの旅行会社の定番になっています。ただ、泊まる先の多くは福岡の街です。手引きが引く観光庁の宿泊旅行統計(2023年)では、シンガポールからの宿泊のうち福岡県は日本全体の2.2%、熊本県は0.7%、大分県は0.5%でした。山あいの温泉地は名前を知られていながら、訪れる人はまだ多くありません。何度目かの旅で求められるのは、まさにその加減です。

手引きには、旅の組み立てに関わる点がもう二つあります。ハネムーンや結婚記念日を機に日本への旅を考える人が多いこと、そして店などへの連絡は電話やメールよりWhatsAppで済ませたいという声が増えていることです。部屋の湯を望む声に、由布院と黒川は違う形で応えます。由布院の名宿は、庭に離れが点在し、一棟ごとに温泉が引かれています。黒川は、湯のついた部屋に加えて、浴衣で露天風呂をめぐり歩くこと自体が夜の楽しみになる温泉街です。

シンガポールから山あいの湯へ

シンガポール航空はシンガポールから福岡まで直行便で約6時間、機材はボーイング787-10です。JNTOの2025年の手引きでは週7便と数えています。朝に着く便なら、その日のうちに山あいの宿へ入れます。

博多駅からはJR九州の特急「ゆふいんの森」が出ています。「列車に乗った時からゆふいん」を主題につくられ、最初の編成は1989年に生まれました。床を高くした造りと大きな窓で、車窓を楽しめるようになっています。2026年3月14日改正の時刻表では、博多9時17分発が由布院に11時31分、14時38分発が16時50分に着きます。全車指定席で、2027年3月以降の運転日は2027年1月中旬ごろに発表される予定です。荷物の多いご家族や、空港から宿へそのまま向かいたい方には、福岡空港からの専用車を手配し、列車は別の旅の楽しみに残しておくこともできます。

山の上から見た由布院の盆地、町と田んぼと夏雲の下の緑の山々

由布院 庭の離れに一棟ずつ湯がある宿

亀の井別荘は金鱗湖のほとりにあり、敷地はおよそ1万坪です。11の離れと本館の6つの洋室からなり、すべての客室で庭内の源泉から引いた掛け流しの湯を楽しめます。離れのうち8棟は露天風呂付きです。離れの夕食は会席料理を部屋まで運び、二泊目からは会席か鍋物のコースを選べます。二組のご夫婦やご家族での旅には、2025年3月に生まれ変わった離れ「特別室」7番館が向いています。約140平方メートルの中央に、専用の庭を望む居間と食堂を置き、その両側にツインの寝室を一つずつ設けました。新たに設けた露天風呂と総ヒノキの内風呂は、どちらも源泉掛け流しです。宿の案内では4名1室で一人84,000円から(夕朝食付き、サービス料込、税別)です。庭の中には、火曜から木曜に一日三組だけを迎えるカウンター割烹「十番館」があり、夜はBAR 山猫で過ごせます。

山荘 無量塔は、ひとりの時間をさらに大切にする宿です。全12室が離れで、2名から4名の離れが6棟、囲炉裏を囲む5名から8名の大きな離れが6棟あり、どの部屋にも専用の温泉があります。大浴場や共用の露天風呂はありません。同じ敷地に、ラウンジのTan's bar、音の美術館アルテジオ、宿泊者だけが使える茶寮 柴扉洞があります。雑木林の中に16室の離れを置き、どの部屋にも源泉掛け流しの木の内風呂がある由布院 玉の湯を加えると、町を代表する三軒がそろいます。玉の湯の歴史と料金は九州の記事にまとめています。

黒川温泉 一つの旅館として営む温泉郷

黒川温泉は江戸時代の中ごろには湯治場として知られ、肥後細川藩の国境に近いことから、藩の役人も利用する「御客屋」と位置づけられていました。温泉郷としての歩みは1961年、6軒の旅館が「露天風呂を集めた温泉街」を掲げて組合をつくったところから始まります。1964年にやまなみハイウェイが開通すると客は一時増えましたが、その後は長く伸び悩みました。組合によれば、2000年まで地元の新聞社が出す熊本県の地図に黒川温泉の名が載っていなかったほどの秘境でした。

変化を起こしたのは、1970年代にUターンや婿入りで戻ってきた旅館の二代目、三代目でした。1986年に組合は看板班、環境班、企画広報班に分かれます。看板班はばらばらだった看板200本をすべて外して共同の看板に替え、環境班は杉山ばかりだった温泉郷に剪定と植樹をして「絵になる風景」をつくりました。1990年代には、30軒の宿と里山の風景をまるごと一つの旅館と見る「黒川温泉一旅館」という考え方が言葉になります。それぞれの宿は離れ、宿をつなぐ小径は渡り廊下です。訪れるとすぐに、そろった看板や川沿いの木々にその考えが表れているのが分かります。

入湯手形と露天風呂めぐり

企画班が考えたのが、敷地の都合で露天風呂をつくれなかった2軒の宿を助けるために1986年に生まれた入湯手形です。今は大人1枚1,500円で、温泉街の25か所の露天風呂から3か所、または露天風呂2か所と飲食やお土産1か所を選べます。有効期限は購入日から6か月、入浴できるのは8時30分から21時までです。各旅館で手形に押してもらう判子はそれぞれの宿の意匠で、湯めぐりを終えるころには自分だけの手形になります。露天風呂は原則として撮影できません。組合は手形の売上の1%を景観づくりや自然環境、温泉資源の保全に充てており、手形そのものも小国郷の杉と檜の間伐材でつくられています。

入湯手形の40周年を記念した特別な意匠の手形は、2026年7月1日から2027年3月ごろまで、5万枚を予定して販売されています。黒川の共同の湯は宿ごとの決まりに従います。共同の湯を使いたくない方には部屋の湯がいちばんの答えで、私たちは手配の前に各宿の書かれた決まりを確かめます。入れ墨と温泉の全体はタトゥーがあっても入れる日本の温泉にまとめています。

黒川温泉 部屋に湯のある宿

旅館 山河は、温泉街から車で約5分、森の奥の渓流沿いにあります。全16室には内風呂付きの部屋や離れがあり、なかでも離れ「ねむの木」は十畳とベッドルームに切石風呂と露天風呂がつきます。約3,000坪の敷地に、二つの自家源泉から100%掛け流しの湯を引いた七つの風呂があり、そのうち三つの貸切風呂は当日フロントで受け付けます。料理は阿蘇と小国郷の食文化に阿蘇のあか牛などを合わせた会席で、食事の制限はできるだけ早く知らせてほしいと宿は案内しています。

温泉街の中心にあるお宿 のし湯は全11室で、古いものでは200年以上の梁を使っています。湯のある部屋には、茶室と中庭のついた離れ「あざみ」や、半露天風呂とテラスのある「きり」があります。貸切の湯は水深120センチの「たち湯」を含めて5か所あり、夕食は旬の創作会席一つだけを食事の進み具合に合わせて出します。中心から少し離れた渓流沿いの山みず木には、川に面したウッドデッキと内風呂のある部屋があり、露天風呂も川のすぐそばです。藩の役人を迎えた時代の名を受け継ぐ歴史の宿 御客屋は、黒川の地で三百年、宿を営んできたと記しています。

やまなみハイウェイと季節の選び方

由布院から車で向かう場合、黒川温泉の組合は、やまなみハイウェイを阿蘇方面へ瀬の本まで進むよう案内しています。路線バスなら由布院駅から九州横断バスで1時間37分です。私たちは移動に専用車を手配し、景色のよいところで車を止め、荷物は先に宿へ届くようにします。

気象庁の観測点は、どちらの町でも標高およそ440メートルにあります。1991年から2020年の平年値で、8月の日最低気温は由布院が20.4℃、南小国が20.3℃で、福岡の25.4℃を大きく下回ります。組合によれば、黒川ではこの10年で熱帯夜は一日だけでした。11月の平均気温は9.4℃と9.0℃で紅葉の季節、1月の日最低気温は−2.2℃と−2.8℃で、冷えた空気の中の露天風呂がいちばん心地よい時期です。いちばん雨が多いのは6月で、南小国では518.2ミリに達します。黒川では2012年の冬から毎年、竹ひごで編んだ鞠灯篭およそ300個で川を照らす「湯あかり」を17時から21時30分まで灯しており、昨季は2025年12月20日から2026年3月31日まででした。

2027年に向けた一週間の形

一つの形をご紹介します。朝に福岡へ着き、列車か車で由布院へ向かい、亀の井別荘か山荘 無量塔に三泊します。やまなみハイウェイを越えて黒川温泉で二、三泊し、夕方に手形を首から下げて温泉街を歩きます。最後の一夜を福岡で過ごし、帰りの便に乗ります。11月なら紅葉と涼しさ、1月なら霜と灯りの夜が待っており、40周年の手形は2027年3月ごろまで販売されます。

7日から21日の旅をお手伝いするSignatureでは、二つの温泉地に福岡を合わせて五、六泊、長い旅なら東京や京都と組み合わせることがよくあります。離れや宿、列車の席、専用車を手配し、ハラールやベジタリアンなどの食事について各宿の厨房に書面で確かめ、それぞれをいちばん簡単な方法で精算します。多くはお部屋付けか当日のお支払いです。旅のあいだはWhatsAppでやり取りいたします。都市で部屋の湯を楽しむなら京都の客室露天風呂付き旅館もご覧ください。

出典と確かめ方

2026年11月5日に、下の頁を読みました。移動時間は各事業者の時刻表によります。旅館、航空会社、鉄道会社、組合、そのほかどこにも問い合わせはしていません。

よくあるご質問

部屋ごとに温泉がある由布院の旅館はどこですか

亀の井別荘は17の客室すべてに温泉があり、11棟の離れのうち8棟は露天風呂付きです。山荘 無量塔は12棟の離れそれぞれに専用の温泉があり、由布院 玉の湯は16室すべてに源泉掛け流しの木の内風呂があります。

黒川温泉の入湯手形とは何ですか

各旅館と組合で1枚1,500円で買える木の手形です。25か所の露天風呂から3か所、または露天風呂2か所と飲食やお土産1か所を、8時30分から21時まで使えます。有効期限は6か月です。

シンガポールから由布院へはどう行きますか

シンガポール航空の直行便で福岡まで約6時間です。博多駅から朝の特急「ゆふいんの森」で由布院まで2時間14分、または空港から専用車を手配します。

由布院から黒川温泉まではどのくらいかかりますか

やまなみハイウェイを阿蘇方面へ進みます。九州横断バスなら由布院駅から1時間37分です。私たちは途中で景色を楽しめるよう専用車を手配します。

由布院と黒川温泉はいつ訪れるのがよいですか

紅葉の11月は平均気温がおよそ9℃、霜の降りる1月は湯あかりの灯りの季節です。8月も夜はおよそ20℃まで下がり、福岡より5℃ほど涼しくなります。

九州の温泉の旅のご相談

いつごろ旅をしたいか、どなたと行かれるか、湯をどこまでご自分たちだけのものにしたいかをお知らせください。由布院と黒川の宿をそれぞれの理由とともに並べ、一週間の形を選んでいただけるようにします。

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手配するお店やバーには、紹介制や会員制のところもあります。お客様に代わってお願いし、お席と日取りはお店の判断によります。名前は公開していません。

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