日本には、線路の上のホテルとして走る寝台列車が三つあります。そして、助けなしで予約できる人はほとんどいません。TRAIN SUITE 四季島、TWILIGHT EXPRESS 瑞風、ななつ星in九州。一泊から三泊のあいだ客を乗せ、車内では懐石が出て、窓の外にはアジアでも指折りの景色が流れます。席は、ふつうの意味で売られてはいません。人気の日付では抽選で割り当てられ、その仕組みは競争が激しく、日本語で動いていて、英語での説明は一部しかありません。
この記事では、三つの列車すべてと、抽選が実際にどう動くのか、そして当たる目をどう上げるのかを扱います。
要点
- 日本の豪華寝台列車は三つ。四季島(JR東日本)、瑞風(JR西日本)、ななつ星(JR九州)で、行程は1泊から3泊です。
- どの旅もJR各社が旅行商品として売り出します。申込は季節ごとのまとまりで何か月も前に受け付け、定員を超えると抽選になります。
- いちばん当たりにくいのは桜と紅葉の時期の出発で、1月下旬から2月、7月から8月初めは競争が緩くなります。
- JR西日本は、2027年3月から6月出発の瑞風を一人あたり38万5,000円から149万円としています(一室を二人で使う場合)。この期の申込は2026年10月30日17時30分に締め切られます。
- 2027年7月から9月出発の四季島は、2026年12月14日までオンラインで申し込めます。結果は2027年1月下旬ごろに書面で届きます。
三つの豪華寝台列車
日本の豪華列車の時代は、2013年のななつ星in九州から始まりました。以来、この分野は小さいままです。三つの列車はそれぞれ別のJR各社が、別の経路で走らせていて、設計も厨房もそれぞれのものです。共通しているのは一つだけ。どの出発日でも、需要が供給をはるかに上回ります。
三つは取り替えのきくものではありません。通る土地が違い、走る日程が違い、向く人も違います。どれを選ぶかが、申し込みの組み立ての出発点です。
JR東日本が2017年に走らせ始めた四季島は、三つの中でもっとも入りにくい一本です。東京の上野駅を出て、東日本を1泊から3泊でめぐり、いちばん長い行程は北海道まで行きます。設計は奥山清行。10両編成で、17の客室に34名しか乗りません。展望車と食堂車は、いまの日本の設計の中でもっとも多く写真に撮られている室内のひとつです。客室のうち15室は「スイート」で、壁には岩手の浄法寺漆を使ったパネルが張られています。7号車の2室、メゾネットの「四季島スイート」と「デラックススイート」には、特製の檜風呂があります。
2017年にJR西日本が走らせ始めた瑞風は、京都と下関のあいだを走ります。山陰の海沿いか、びわ湖と瀬戸内を通る片道1泊の行程と、京都を出て京都へ戻る2泊の周遊があります。名は「水の風」を意味し、日本海を見下ろす険しい崖沿いの区間がその名に見合います。一つの出発の定員は最大34名で、客室の最上位は「ザ・スイート」です。瑞風は、三つの中で海のそばを走る時間がいちばん長い列車です。編成は10両です。「ザ・スイート」は1両をまるごと使った客室で、浴室と専用のバルコニーがあり、両端の展望車には外の風を感じられる展望デッキがあります。献立は複数の料理人が監修していて、その中には「菊乃井」の村田吉弘さんと「HAJIME」の米田肇さんがいます。ミシュランガイドは、京都の「菊乃井 本店」と大阪の「HAJIME」をどちらも三つ星としています。
最初の一本で、いまも基準であり続けています。ななつ星は2013年10月に走り始め、日本の現代の豪華列車の時代はここから始まりました。設計は水戸岡鋭治。福岡の博多駅を出て、九州を1泊または3泊でめぐります。7両の編成に、客室は10室。通る土地の料理を出すこと、そしてホテルのように細部まで内装を詰めること。あとの二本が倣った型は、ななつ星が作りました。3泊のコースでは、2泊目は列車を降りて旅館に泊まります。由布院コースでは、JR九州は「由布院 玉の湯」「亀の井別荘」「山荘 無量塔」を挙げています。2025年12月には、第25回 Hospitality Awards の移動の体験を対象とする部門で最優秀賞を受けました。JR九州の社長としてこの計画を率いた唐池恒二さんは、2024年にPHP研究所から出した本でその歩みを書いています。
料金に何が含まれるか
三つとも料金はすべて込みです。客室、食事のすべて(懐石の夕食、朝食、アフタヌーンティー)、酒以外の飲み物、選ばれた停車地での案内つきの小旅行、そして車内の催し。上等な日本酒・ワイン・蒸留酒はたいてい別料金ですが、料理に合わせた組み合わせを足すこともできます。
同じ列車の中の値段の幅は、客室の等級の違いであって、もてなしの水準の違いではありません。どの部屋に入っても、食事も、客ひとりあたりの手の数も、立ち寄り先も同じです。お金で変わるのは広さと、窓の向きと、専用の展望風呂や専属の係といった設えです。公表されている例を挙げると、JR西日本は2027年3月から6月出発の瑞風を一人あたり38万5,000円から149万円とし、春の出発は6月より高く設定しています。一人で使う「ロイヤルシングル」は46万5,000円から85万円です。JR九州は2026年9月から2027年2月出発のななつ星を、1泊で一人あたり70万円から95万円、3泊で135万円から185万円としています。ロイヤルシングルを除き、どれも一室を二人で使う場合の額です。
「懐石と、もてなしと、景色の日が続き、その一日ごとの終わりに寝床がある。それが線路の上で起きているということは、むしろいちばん小さな話です。」
| 列車 | 経路 | 行程 |
|---|---|---|
| 四季島 | 上野から東日本をめぐる。いちばん長い行程は北海道まで | 1泊から3泊 |
| 瑞風 | 京都と下関のあいだ、または京都発着の周遊 | 1泊か2泊 |
| ななつ星 | 博多から九州をめぐる | 1泊か3泊 |
抽選という予約の仕組み
三つとも、ホテルの部屋や飛行機の席のようには売られていません。どの旅もJR各社が旅行商品として売り出し、出発日によっては大手の旅行会社や海外の旅行会社でも扱います。申込は季節ごとのまとまりで、何か月も前に受け付けます。2027年3月から6月出発の瑞風は、JR西日本が2026年9月1日から10月30日まで、オンラインか郵送で受け付け、結果は12月初旬ごろに届きます。2027年3月から8月出発のななつ星は、JR九州が2026年10月1日から31日までオンラインで受け付けました。英語のページの受付は10月20日まででした。2027年7月から9月出発の四季島は、JR東日本が2026年10月9日から12月14日までオンラインで受け付け、結果は2027年1月下旬ごろに書面で届きます。申し込むときは出発日と客室の等級を選びます。瑞風は一回の申込で4名、2室まで申し込めます。申込が定員を超えると抽選になり、外れた人は後の出発日に申し込み直せます。
三社とも当選率を公表しておらず、信頼できる数字も見つかっていません。ただ、公表されている日程からも込み具合は見えます。2026年12月から2027年2月出発の瑞風では、いくつかの出発日で「ザ・スイート」が国外で販売されたため、JR西日本自身の販売が始まる前に満室になっていました。どの列車も乗れるのは多くて数十人で、人気の日付は三つとも申込が定員を大きく超えたままです。
正規の二次流通はなく、抽選で得た席は他人に譲れません。JR九州は2026年4月、ツアーデスクの担当者を名乗って安いななつ星の旅をもちかける電話について注意を呼びかけ、旅はJR九州と一部の旅行会社だけが扱っていると伝えています。確かなやり方は、正しく申し込み、複数の回にまたがって出し、外れたときの案を持っておくことです。
「抽選そのものは運です。自分で決められるのは、どの回に出すか、受け入れられる日付をいくつ持つか、そして締切の前に申込を済ませるかです。」
申し込みに向く季節
桜の季節、年によって三月の終わりから四月の半ばごろは、三つとも申込がもっとも集まる窓です。紅葉の季節、ふつうは十月の半ばから十一月の半ばが、それに次ぎます。この二つは誰もが欲しがる窓で、申込は日本の中からも外からも届きます。
日程を動かせる人にとっては、一月の終わりから二月、そして七月から八月の初めが、はっきりと競争の緩い窓になります。冬の四季島の東北の経路は、列車をよく知る人ほど桜の便より上に置くことのある時間です。地面は雪、展望車は暖かく、同じ席に申し込む人はずっと少ない。瑞風は冬も同じ日本海の海沿いを走り、その顔は夏とはまるで別ものです。
多くのお客さまに勧める組み立てはこうです。一つの日付に決め打ちせず、受け入れられる旅の窓を二つか三つ決める。それぞれ最初の回で申し込み、外れたら次の回にもう一度出す。客室の等級を動かせることも効きます。いちばん高い部屋といちばん手前の部屋は競争が激しく、希望が散らばる真ん中の等級のほうが取りやすいことが多いからです。
乗ると実際どうなのか
三つとも、旅の中心は食事です。どの列車も、経路と季節に合わせて変わる懐石仕立ての献立を、その土地の生産者や料理人と組んで作ります。四季島の食堂車は改まった場で、料理は見どころや景色の瞬間に合わせて運ばれてきます。食事のあいだ、ある区間では列車がわざと速度を落とし、景色を長く見せます。ななつ星では、九州各地の名店の料理人が乗り込んで腕を振るいます。
停車も、旅の一部です。ななつ星は、由布院の温泉町や、焼き物の町の有田といった場所に立ち寄ります。四季島は、東日本の工芸の町や田園に停まります。瑞風は、山陰の海沿いと瀬戸内の町々に時間を取ってあります。
内装は、座ったままでいるほど効いてきます。四季島の最後尾の展望車は、遠ざかる線路に向かって開くガラスの部屋で、離れていく景色をそのまま額に収めます。ななつ星の客室は、九州の漆と和紙と土地の木材を、飾りというより考え抜かれた組み合わせで使っています。
当選したあとの流れ
四季島については、JR東日本が手順を示しています。出発の約4か月前に、申込書、健康状態や食物アレルギー、好みを伺う書面、申込金の請求書が届き、カードか振込みで支払います。約2か月前に催行の可否が知らされ、残金の案内が届きます。最終の行程表は約2週間前です。スーツケースなどの大きな荷物は、一人1個まで、日本国内の自宅から車内の部屋まで届けてもらえ、帰りも車内から自宅へ送れます。
ほかの列車にも通じる実際的な点が二つあります。瑞風のツアーデスクは、夕食ではセミフォーマル、ラウンジではスマートカジュアルの服装を求めていて、取消料は出発の20日前から旅行代金の20%がかかります。また、運休は実際に起きます。2026年には、四季島が北海道の大雨で2本、瑞風が6月と7月に2本(7月の1本は車両の給排水設備の故障)、ななつ星が熊本地震を受けて8月1日出発の1本を運休にしました。こうした列車を軸にした旅には、走らなかった日の案も要ります。
列車の前後を組み立てる
豪華列車の準備は、旅の窓の何か月も前に始まります。三つの列車それぞれの申込開始日を見ておき、複数の回にまたがって申し込み、いまの需要の集まり方を見て客室の等級と出発日の組み合わせを選びます。
準備は申込で終わらず、旅そのものまで続きます。列車は長い日本の旅程の中に入るもので、片道の瑞風の前後の日にも、それぞれの組み立てが要ります。乗る前の京都の宿、下関で降りたあとの続き、両端の専用の車。ここが、列車が旅の頂きになるか、旅の途中の面倒になるかを決めます。
どの回でも当たらなかったときも、一から始め直す必要はありません。東北と北海道の一部の新幹線にあるグランクラスは、日本の一等席にあたる席で、別物ですが本当に上等な鉄道の時間です。経路によっては貸切の手もあります。そして向きを変えたほうが旅程が良くなることもあります。瑞風なら夜のうちに通り過ぎていた山陰で、上質な旅館を続けて泊まる組み立てのように。
出典と調べ方
下のページは、すべて2026年10月28日に読みました。料金、コース、申込の期間は運行する会社自身の発表とページから、料理人の評価はミシュランガイドから、ななつ星の背景は運行会社と、計画を率いた人の本の版元のページから取っています。各社への問い合わせはしていません。料金とコースは販売の期ごとに変わります。JR九州は2027年のななつ星の料金を画像でしか公表していないため、上の額は2026年9月から2027年2月出発のものです。
- JR西日本「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」2027年3月〜6月出発分[第32期]の販売について(PDF):コース、一人あたりの旅行代金、各出発日最大34名、申込の期間、抽選と結果の時期
- JR西日本「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」2026年12月〜2027年2月出発分[第31期]の販売について(PDF):国外販売で「ザ・スイート」が満室になった出発日
- TWILIGHT EXPRESS 瑞風 新着情報:10月30日までの販売期間、2026年6月と7月の運転休止
- TWILIGHT EXPRESS 瑞風 車両のご紹介:10両の編成、1両1室の「ザ・スイート」、展望デッキ
- TWILIGHT EXPRESS 瑞風 ダイニング:献立を監修する料理人
- TWILIGHT EXPRESS 瑞風 ツアーデスク(日本旅行)よくあるご質問:服装、取消料、一回の申込の人数、ザ・スイートのバルコニー
- ミシュランガイド 菊乃井 本店(英語):三つ星
- ミシュランガイド HAJIME(英語):三つ星
- JR九州「ななつ星 in 九州」2026年9月〜2027年2月出発のコース(PDF):コース、一人あたりの旅行代金、2泊目の旅館、受付期間と抽選
- ななつ星in九州 2027年3月〜8月出発分のお申込み受付:2026年10月1日〜31日の申込期間と抽選
- Seven Stars in Kyushu, Applications(英語):英語での受付は2026年10月1日〜20日、次の受付は2027年春の予定
- ななつ星in九州 車両のご紹介:7両の編成と10の客室
- ななつ星in九州「ななつ星in九州」を騙った詐欺行為へのご注意:ツアーデスクを名乗る電話と、旅を扱う会社
- ななつ星in九州 熊本地震に伴う8月1日出発分の運行休止:熊本地震を受けた運休
- ななつ星in九州 Hospitality Awards 2025 受賞:2025年12月の受賞
- PHP研究所 唐池恒二『ななつ星への道』(2024年):ななつ星の計画を率いた人の本
- JR東日本「TRAIN SUITE 四季島」よくあるお問い合わせ:2026年12月14日までの申込期間、2027年1月下旬の結果
- JR東日本「TRAIN SUITE 四季島」旅のお申し込み:申込から出発までの流れ、荷物の宅配
- JR東日本「TRAIN SUITE 四季島」トピックス:申込の回と、2026年8月・9月の運休
- JR東日本「TRAIN SUITE 四季島」スイート:15室のスイートと浄法寺漆のパネル
- JR東日本「TRAIN SUITE 四季島」四季島スイート:メゾネットの客室と檜風呂
- JR東日本「TRAIN SUITE 四季島」プロジェクトメンバー:奥山清行さんの設計
- JR東日本「TRAIN SUITE 四季島」2026年12月〜2027年3月出発分の申込受付:冬の2泊と1泊のコース
よくあるご質問
TRAIN SUITE 四季島の切符は、どう予約しますか
四季島の席は、JR東日本のオンライン申込を通じた抽選で割り当てられます。受付は季節ごとのまとまりで、出発の数か月前に行われます。2027年7月から9月出発分は、2026年10月9日から12月14日まで受け付け、結果は2027年1月下旬ごろに書面で届きます。申込者は希望日とスイートの種類を選びます。JR東日本は当選率を公表していないため、すべての受付期間を見て複数の回に申し込むことが、当選の可能性を上げる方法です。
TWILIGHT EXPRESS 瑞風はいくらかかりますか
2027年3月から6月出発の瑞風について、JR西日本は、客室の等級、コース、出発月に応じて一人あたり38万5,000円から149万円(一室を二人で使う場合)としています。車内の食事と、道中の立ち寄りが含まれます。この期の申込は2026年10月30日に締め切られます。
豪華列車の抽選に当たりやすいのは、どの季節ですか
冬(12月〜2月)と真夏(7月〜8月)は、三つの列車いずれでも、一般に申込の競争がもっとも穏やかな時期です。3月下旬と4月の桜の出発、10月と11月の紅葉の出発はもっとも当たりにくく、できる限り最初の回で申し込むべきです。
豪華列車の抽選に外れたら、どうなりますか
外れた方も、出発が近づいてからの後の回で再び申し込めます。すべての回で外れた場合の代わりとしては、一部の路線での新幹線グランクラス、貸切の選択肢、あるいは別の列車や別の出発時期を軸に旅程を組み直す方法があります。
抽選は一度でなく何度も出す人に報いる
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