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インバウンド対応に使える補助金 2026年度の探し方

2026年度(令和8年度)に旅館・ホテルが使えるインバウンド対応の補助金は、国の観光庁の事業と、都道府県や観光の財団の事業に分かれています。2026年10月15日の時点では、多言語での案内を整える国の事業と、東京都と大阪府の宿泊施設向けの事業が受付中で、設備の省力化やバリアフリー化の国の事業は5月から9月までに締め切られました。この記事では、それぞれの対象と補助の割合と受付の期間を公式のページで確かめて表にし、補助金の探し方と、申し込む前に確かめることを並べます。どの制度も、予算に達すると早く締め切られることがあります。
要点
- 2026年度のインバウンド対応の補助金は、観光庁の事業と、都道府県や観光の財団の事業に分かれています。
- 2026年10月15日の時点では、国のインバウンド安全・安心対策推進事業(2027年1月29日まで)、東京都と東京観光財団の補助金(2027年3月31日まで)、大阪府の補助金(2027年2月26日まで)が受付中でした。
- 設備の省力化、バリアフリー化、複数の宿で使う設備の国の事業は、2026年5月から9月までに締め切られました。
- 探すときは、観光庁の公募のページ、Jグランツ、J-Net21の支援情報ヘッドライン、都道府県と市町村の観光の担当、地方運輸局を見ます。
- 多くの制度は交付決定のあとの契約と発注だけを対象にし、補助金は実績報告のあとの後払いです。
2026年10月に受付中の制度
2026年10月15日に観光庁と都府県のページを開いた時点で、旅館・ホテルが申し込める受付中の制度は次の三つです。どれも、予算に達した時点で受付を終えると書かれています。
| 制度 | 対象と補助の割合 | 受付の期間 |
|---|---|---|
| 国(観光庁) インバウンド安全・安心対策推進事業 | 観光施設等の多言語対応の強化のメニューは、旅館業の許可を受けた宿泊施設も対象。経費の2分の1以内 | 2026年2月2日から2027年1月29日17時必着 |
| 東京都と東京観光財団 インバウンド対応力強化支援事業補助金 | 都内の旅館・ホテル営業と簡易宿所営業の施設など。経費の2分の1以内(多言語対応は3分の2以内)、1施設の上限は300万円 | 2026年4月1日から2027年3月31日 |
| 大阪府 宿泊施設の環境整備促進事業 | 府内の宿泊施設。経費の2分の1以内、1施設の上限は200万円(多言語の案内表示や広報物などは補助額の上限が40万円) | 2026年8月20日から2027年2月26日 |
このほか、温泉地などの観光の中心に残る大きな廃旅館や廃ホテルの撤去と再生を支える国の事業(廃屋撤去・再生による地方温泉地等のまちづくり支援事業)も、2027年2月26日まで受け付けています。
観光庁の事業
観光庁の事業は、2025年度の補正予算(令和7年度補正)や2026年度の予算で組まれ、2026年に公募されたものです。観光庁の公募のページでは、宿泊業が対象に入る事業に「宿泊業」の印が付いています。2026年に公募された主な事業は次のとおりです。
- インバウンド安全・安心対策推進事業 災害や急病のときに海外のお客様が安心して過ごせるよう、多言語のデジタルサイネージ、翻訳用のタブレット、案内標識、避難所の地図などの掲示物、災害時の情報を伝えるホームページ、無料の公衆無線LAN、スタッフの研修などを補助します。観光施設等の多言語対応の強化のメニューでは、旅館業の許可を受けた宿泊施設も対象です。災害のときの避難誘導について自治体との調整が整っていることが条件で、民間の事業者は施設のある自治体の意見書を添え、地方運輸局に応募の書類を出します。
- 観光地・観光産業における省力化投資補助事業 人手不足を補う設備やサービスの導入を、旅館業の許可を受けた宿泊事業者に補助する事業で、補助の割合は2分の1、上限は1,000万円でした。地域と連携して求人などに取り組んでいることも条件で、2026年は3月27日から5月29日まで受け付けました。
- 観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業 高齢の方や障害のある方が安心して泊まれるよう、バリアフリー化の改修や備品の導入を補助する事業です。補助の割合は2分の1で、1施設の上限は1,500万円、自治体と防災協定を結んでいる宿泊事業者は5,000万円でした。2026年は3月31日から5月15日まで受け付けました。
- 地域一体となった観光産業の効率化支援事業 複数の宿泊施設などが一緒に使う設備の導入や改修を補助する事業で、実施する者か連携先に宿泊事業者を1者以上含めることが条件です。補助の割合は2分の1、上限は5,000万円で、2026年は三次の公募まで行われ、9月29日に締め切られました。
同じ名前の事業が次の年度も募集されるかどうかは、その年度の公募のページで確かめます。今年度の要領は、次に備えるときの目安になります。
都道府県と観光の財団の事業
都道府県や観光の財団も、宿泊施設向けの補助金を出しています。宿泊税を財源にしている事業もあります。ここでは、公式のページで中身を確かめられた四つを挙げます。
- 東京都と東京観光財団 インバウンド対応力強化支援事業補助金は、施設の利用案内やマナーの案内、ホームページの多言語化、公衆無線LAN、キャッシュレスの機器、手荷物を預かる設備、災害時の受け入れ(防災マップの作成など)などが対象です。多言語対応は経費の3分の2以内、ほかは2分の1以内で、宿泊施設は1施設の上限が300万円です。交付決定のあとに始める事業が対象で、事前に買ったものや付けたものは対象になりません。
- 大阪府 宿泊施設の環境整備促進事業は、宿泊税を使った事業です。案内表示や客室の設備の案内の多言語化、パンフレットとホームページの多言語化、タブレットなどの多言語の補助機器、パスポートリーダー、Wi-Fi、キャッシュレスの端末などが対象です。補助の割合は2分の1以内で、災害時の旅行者の受け入れについて府か市町村と協定を結んでいる施設は3分の2以内になります。補助の対象は1事業者につき1施設までです。
- 三重県 インバウンド・ユニバーサルツーリズム・観光防災推進補助金は、宿泊施設、観光施設、土産物店、観光案内所を運営する事業者が対象でした。インバウンド対応(案内板の多言語化、デジタルサイネージ、キャッシュレス化、Wi-Fiなど)は、補助の割合が2分の1、補助の額が100万円以上1,000万円以下です。2026年は4月17日から5月29日まで受け付け、105件の申請から58件が採択されました。
- 広島県観光連盟 令和8年度ユニバーサルツーリズム推進事業補助金は、障害のある方、高齢の方、乳幼児連れの方、外国人の観光客が安心して過ごせるよう、宿泊施設を含む観光施設等の整備を補助する制度で、補助の割合は5分の4以内、上限は1,000万円です。受付の期間を2026年11月30日までとしていましたが、10月15日に開いたページには募集終了と出ていました。
ほかの都道府県や市町村にも、宿泊施設向けの制度があることがあります。次の節の探し方で、貴館の所在地の制度を確かめます。
補助金の探し方
補助金は、国、都道府県、市町村、観光の財団がそれぞれのページで募集します。次の五つを順に見ると、貴館が申し込める制度をひととおり拾えます。
- 観光庁の公募のページ 「公募情報」の募集中一覧と年ごとの一覧に、締切日と対象の業種が出ています。「宿泊業」で絞り込むと、宿泊施設が対象に入る事業が並びます。
- Jグランツ デジタル庁が運営する、国や自治体の補助金の電子申請の仕組みです。GビズIDを使って補助金を探し、申請できます。東京観光財団の補助金も、郵送のほかJグランツで受け付けています。電子申請に使うGビズIDプライムのアカウントは、発行に通常2〜3週間かかると東京観光財団の手引きにあるので、早めに用意します。
- J-Net21の支援情報ヘッドライン 中小企業基盤整備機構のサイトで、国と都道府県の補助金や助成金を、カテゴリと地域から探せます。
- 都道府県と市町村の観光の担当 都道府県や市町村の観光の課、観光協会、観光の財団や連盟が、地域の制度を出しています。宿泊税のある地域では、大阪府のように、その税を使った宿泊施設向けの補助金があることもあります。
- 地方運輸局 国の受け入れの整備の事業では、地方運輸局の観光部が相談と応募の窓口になることがあります。インバウンド安全・安心対策推進事業も、計画を出すときは地方運輸局に先に連絡するよう求めています。
申し込む前に確かめること
補助金の決まりは制度ごとに違います。この記事のために読んだ要領で、多くに共通していたのは次の点です。
- 契約と発注は交付決定のあと 国のインバウンド安全・安心対策推進事業は、交付決定のあとに契約や発注をした経費だけを対象にしています。大阪府も、申請や交付決定の通知の前に契約や発注をした事業は対象外としています。三重県のように、事前着手届を出せば交付決定の前に工事に着手できる制度もありますが、採択されなかったときの費用は事業者の負担になります。
- 見積書 国のインバウンド安全・安心対策推進事業は2社以上の見積書を、東京観光財団は金額にかかわらず見積書と相見積書を求めています。
- 後払い 補助金は、事業を終えて実績報告を出し、額が確定してから支払われます。インバウンド安全・安心対策推進事業の応募要領は、完了実績報告書を出してから支払いまで2〜3か月程度かかるとしています。設備の代金はいったん貴館が払うので、資金の手当てを先に考えておきます。
- ほかの補助金との重なり インバウンド安全・安心対策推進事業は、同じ事業計画で国のほかの補助金を受ける場合は対象外とし、都道府県などの補助金は財源が国費でなければ受けられるとしています。三重県は、同じ工事で国やほかの自治体の事業に採択されている場合は申請できないとしています。
- 消費税と法人税 国の事業では、課税事業者は消費税の仕入控除税額を補助の対象の経費から除いて申請します。受け取った補助金は、その事業年度の収益として法人税などの対象になると、応募要領に書かれています。
- 代行の勧誘 東京観光財団は、申請の代行を持ちかけて手数料をだまし取る詐欺が起きていること、申請に手数料はかからないことを案内しています。発注を予定している会社が申請書類の作成や相見積書の取得まで代行していたと分かった場合は、交付の対象にならないとも書いています。
- 予算と締切 受付の期間の途中でも、予算に達すると受付を終えます。広島県観光連盟の補助金のように、締切の日より前に募集を終えることがあります。
多言語化に使うときの考え方
多言語化の費用に補助金を使うときは、制度が何のための多言語化を対象にしているかを先に読みます。国のインバウンド安全・安心対策推進事業は、災害や急病のときに必要な情報を伝えるための多言語化が対象で、ホームページも、災害時の情報を多言語で発信するための作成や改修が対象です。東京都の補助金は、施設の利用案内、マナーの案内、ホームページの多言語化を対象にしていて、多言語対応の補助の割合をほかより高くしています。
館内の表示、客室の案内書き、非常時の案内、ホームページのどれを何語にするかを先に決めておくと、見積もりも申請書も書きやすくなります。表示の作り方は館内の表示と案内を多言語にするに、英語のサイトで決めることは英語サイトの作り方の記事に、帳場で翻訳の道具を使うときに確かめることは翻訳アプリの記事に、急病や災害への備えは急病と災害の記事にまとめています。
よくある質問
観光庁の宿泊施設向けの補助金は2026年度に申し込めますか
2026年10月15日に観光庁の募集中一覧を開いた時点では、インバウンド安全・安心対策推進事業が2027年1月29日まで受付中で、観光施設等の多言語対応の強化のメニューは旅館業の許可を受けた宿泊施設も対象です。設備の省力化、バリアフリー化、複数の宿で使う設備の国の事業は、2026年5月から9月までに締め切られました。予算がなくなると締切より前に終わることがあるので、申し込む前に募集中一覧で確かめます。
多言語化に使える補助金はありますか
国のインバウンド安全・安心対策推進事業は、災害や急病のときに必要な情報を多言語で伝える設備、案内標識、ホームページなどを補助します。東京都と東京観光財団の補助金は施設の利用案内やホームページの多言語化に経費の3分の2以内を、大阪府の補助金は案内表示や広報物の多言語化に経費の2分の1以内を補助します。大阪府の多言語化の分は、補助額の上限が40万円です。
交付決定の前に発注したものは補助の対象になりますか
対象になるのは、原則として交付決定のあとに契約や発注をした経費です。国のインバウンド安全・安心対策推進事業も、東京観光財団と大阪府の補助金も、そう定めています。三重県の補助金のように事前着手届の仕組みがある制度もあるので、要領で確かめてから発注します。
補助金はいつ受け取れますか
事業を終えて実績報告を出し、補助の額が確定したあとに支払われます。インバウンド安全・安心対策推進事業の応募要領は、完了実績報告書を出してから支払いまで2〜3か月程度かかるとしています。それまでの代金は貴館が立て替えます。
国と県の補助金は一緒に使えますか
制度ごとに決まりが違います。インバウンド安全・安心対策推進事業は、同じ事業計画で国のほかの補助金を受ける場合は対象外とし、都道府県などの補助金は、財源が国費でなければ受けられるとしています。三重県の補助金は、同じ工事で国やほかの自治体の事業に採択されている場合は申請できません。
まとめ
2026年度のインバウンド対応の補助金は、観光庁の事業と、都道府県や観光の財団の事業に分かれています。2026年10月15日の時点では、国のインバウンド安全・安心対策推進事業と、東京都と大阪府の宿泊施設向けの事業が受付中でした。探すときは、観光庁の公募のページ、Jグランツ、J-Net21の支援情報ヘッドライン、都道府県と市町村の観光の担当、地方運輸局を見ます。申し込む前には、交付決定より前に契約や発注をしないこと、見積書をそろえること、補助金は後払いであること、ほかの補助金との重なりを、それぞれの要領で確かめます。STAYGOコンサルティングにご依頼いただければ、最初の詳しい診断のときに、その時点で募集中の制度を確かめ、貴館で使えそうなものを報告書でお知らせします。
出典と調べ方
17のページと資料は、記事を書いた2026年10月15日に開いて読み、確かめました。机上で調べたもので、観光庁、地方運輸局、都府県、観光の財団や連盟には問い合わせていません。受付中かどうかは、その日に各ページに出ていた表示によります。ほかの都道府県や市町村の制度と、宿泊業に限らない中小企業向けの国の補助金は、このたびは取り上げていません。
- 観光庁「募集中一覧」(公募情報)(2026年10月15日の募集中の事業と締切日、宿泊業の印)
- 観光庁「公募情報 2026年」(2026年に公募された事業の一覧と、募集中、募集終了、採択結果の表示)
- 観光庁「令和7年度補正予算事業 地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業の公募」(公募期間を2027年1月29日17時必着に延長したこと、補助対象事業者、補助率2分の1以内、まず地方運輸局に連絡すること)
- 観光庁「観光客の安全・安心に資する観光施設等における多言語対応強化 応募要領」(令和8年9月)(宿泊事業の施設も対象、地方運輸局への提出、2社以上の見積書、自治体の意見書、交付決定後の契約と発注、国の他の補助金との重複、精算払いと2〜3か月程度、収益として課税)
- 観光庁「地域における受入環境整備促進事業補助金交付要領」(インバウンド安全・安心対策推進事業の抜粋版)(多言語対応機能の強化の補助対象経費と要件、補助対象外の経費)
- 観光庁「観光地・観光産業における省力化投資補助事業」特設サイト(対象は旅館業の許可を受けた宿泊事業者、補助率2分の1、上限1,000万円、公募期間2026年3月27日から5月29日、地域との連携の条件)
- 観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業 事務局「公募要領」(令和8年3月)(公募申請期間2026年3月31日から5月15日、補助率2分の1、上限は防災協定のある宿泊事業者5,000万円、ほかは1,500万円、事前着手の禁止)
- 観光庁「地域一体となった観光産業の効率化支援事業」特設サイト(補助率2分の1、上限5,000万円、宿泊事業者を1者以上含めること、三次公募の終了)
- 公益財団法人東京観光財団「インバウンド対応力強化支援事業補助金」(対象の施設と事業、補助率、1施設の上限300万円、募集期間2026年4月1日から2027年3月31日、交付決定後の事業が対象、代行の詐欺の注意)
- 公益財団法人東京観光財団「インバウンド対応力強化支援事業補助金 申請の手引き」(令和8年9月1日改訂)(交付決定日より前に始めた事業は交付しないこと、金額にかかわらず見積書と相見積書、実績報告と検査のあとの交付、GビズIDプライムの発行に通常2〜3週間)
- 大阪府「令和8年度 大阪府宿泊施設の環境整備促進事業<補助金>」(宿泊税の活用、対象事業、補助率と上限200万円、多言語化の上限40万円、申請期間2026年8月20日から2027年2月26日、交付決定前の着手は対象外)
- 三重県「令和8年度インバウンド・ユニバーサルツーリズム・観光防災推進補助金の公募を開始します」(補助対象者、補助メニュー、補助率2分の1、補助限度額)
- 三重県「令和8年度インバウンド・ユニバーサルツーリズム・観光防災推進補助金の採択(交付決定)について」(公募期間2026年4月17日から5月29日、申請105件、採択58件)
- 三重県「公募要項」(令和8年度インバウンド・ユニバーサルツーリズム・観光防災推進補助金)(事前着手届、交付決定以降の契約と発注、国や他の自治体の事業との重複の扱い)
- 一般社団法人広島県観光連盟「令和8年度ユニバーサルツーリズム推進事業補助金の公募について」(補助対象者、補助率5分の4以内、上限1,000万円、申請受付期間2026年11月30日まで、募集終了の表示)
- デジタル庁「Jグランツ」(国や自治体の補助金の電子申請の仕組み、GビズIDの利用)
- 独立行政法人中小企業基盤整備機構 J-Net21「支援情報ヘッドライン」(国と都道府県の支援情報をカテゴリと地域から検索できること)