酉の市は、11月の酉の日に鷲神社・大鳥神社などで開かれる市で、福をかき込むといわれる飾りの熊手が名物です。酉の日は、昔の暦で日に割り当てた十二支のひとつです。2026年の酉の日は11月7日(土)の一の酉と、11月19日(木)の二の酉の二回で、三の酉はありません。酉の市の発祥とされる浅草の鷲神社は、どちらの日も午前0時から24時まで市を開きます。新宿の花園神社と府中の大國魂神社も同じ二日を挙げており、花園神社は11月6日と18日に前夜祭を行います。

この記事では、各神社が公表している2026年の日付と時間、熊手の意味、昔ながらの熊手の買い方、そして自分に合った時間の選び方をまとめます。事実は2026年10月22日に、各神社の公式サイト、国立国会図書館、目黒区の歴史の頁で確かめました。神社への問い合わせはしていません。出典は最後にまとめています。2027年の日付は、その日の時点でどの神社もまだ公表していませんでした。家に飾るほかの縁起物については、家に飾る日本の縁起物をご覧ください。

要点


酉の市とは

昔の暦では日ごとに十二支のどれかが割り当てられているので、酉の日は12日ごとに巡ってきます。国立国会図書館の解説によると、11月の最初の酉の日を一の酉、12日後の酉の日を二の酉といい、暦の関係でもう一回あれば三の酉となります。浅草の鷲神社は、11月に酉の日が二回ある年は二の酉まで、三回ある年は三の酉まで執り行い、どの酉にお参りしても変わらないので都合のよい日に来てほしい、と書いています。同じ神社によると、いま都内では十数か所で酉の市が開かれています。

「おとりさま」と呼ばれる浅草の鷲神社は、酉の市の始まりを日本武尊の言い伝えに置いています。御由緒によると、日本武尊が勝ち戦を祝って社前の松に熊手をかけ、お礼参りをした日が11月の酉の日だったため、この日を例祭日と定めたのが酉の市です。神社はまた、正しくは「酉の祭(とりのまち)」と呼ばれた神祭で、祭に市が立ったことから市の字があてられるようになった、とも説明しています。御由緒は江戸の『東都歳時記』を引き、天保3年(1832年)より六十年ほど前から賑わっていたと記しています。其角、子規、虚子も酉の市を句に詠んでおり、俳句では冬の季語です。

鷲神社の数え方では、浅草の酉の市は熊手店がおよそ150、露店がおよそ750並び、毎年70万から80万人が訪れます。ほかの神社には、それぞれの始まりがあります。目黒区の歴史の頁によると、区内最古の神社である目黒の大鳥神社の酉の市は、天保6年(1835年)11月の初酉の日に、下目黒の造り酒屋が浅草から熊手を取り寄せたことに始まり、もとは近くの農民が野菜や実用品を売る市だったようです。府中の大國魂神社では、酉の市は境内の大鷲神社の祭礼です。

2026年 東京の四つの神社の日付

表は、2026年10月22日の時点で各神社や区が公表していた2026年の日付です。時間を公表していない神社は、時間を空けています。

2026年の酉の市(各神社の公表による)
神社一の酉二の酉公表されている時間
鷲神社(台東区・浅草)11月7日(土)11月19日(木)各日午前0時から24時まで。宵宮開運福寿祭は11月6日・18日の午後11時15分から
花園神社(新宿)11月7日(土)(前夜祭 11月6日(金))11月19日(木)(前夜祭 11月18日(水))前夜祭は露店が15時頃から24時まで。本祭は正午頃から24時まで
大國魂神社(府中)11月7日11月19日記載なし
大鳥神社(目黒)11月の酉の日。公式の頁で2026年の日付は見つかりませんでした記載なし

花園神社によると、期間中はおよそ260店の露店が出て、提灯は前夜祭・本祭ともに24時頃に消え、18時以降の混雑時には境内への入場を規制することがあります。鷲神社は、酉の市の当日は駐車場を用意しておらず、公共交通機関で来てほしいとしています。最寄りは日比谷線の入谷駅で徒歩約7分、つくばエクスプレスの浅草駅から徒歩約8分です。大國魂神社は京王線の府中駅から徒歩約5分です。

2027年の日付は、2026年10月22日の時点でこれらの神社のどこも公表していませんでした。花園神社は2026年のお知らせを10月7日に出しているので、秋に各神社の頁を見るのが確かです。一年のほかの行事は、日本の行事の暦にまとめています。

熊手の意味

熊手は、もともと落ち葉をかき集める道具です。目黒区の頁は、熊手とその隣で売られる八つ頭が縁起物になった流れを説明しています。八つ頭は人の頭に立つように出世できる、熊手は家の中に宝をかき込む、という縁起物になっていきました。同じ頁は、日本武尊が焼き討ちにあったとき、先が三方に分かれた金属の熊手で火を防いだことをしのぶもの、という古い言い伝えも紹介しています。

鷲神社によると、熊手は昔は商売をしている人が求めるものでしたが、いまは恋愛成就、家内安全、健康、勝運などの願いでも求められています。御由緒には熊手の移り変わりも書かれています。江戸中期から天保の初め頃までは、柄の長い実用の熊手におかめの面と四手をつけたものでした。その後いろいろな縁起物がつき、宝船、桧扇、御所車など多くの種類が生まれ、毎年流行を取り入れた熊手も話題になります。お多福とも呼ばれるおかめは、福を招く女性の象徴として、江戸の頃から酉の市の縁起熊手に飾られてきたと神社は書いています。

熊手には二種類あります。鷲神社が酉の市のときだけ授与する熊手御守は「かっこめ」と呼ばれ、午前0時の一番太鼓とともに授与が始まり、いちばん先に受けた人には神社から金の小判が授けられます。飾りのついた大きな縁起熊手は、境内を中心に並ぶ熊手店が作って売ります。花園神社では、花熊手が本祭の日にだけ数量限定で頒布されます。

熊手の買い方

鷲神社は、熊手の買い方をいくつかの段取りで説明しています。まずデザインと予算を決めます。次に、境内をぐるっと一回りしてから選びます。熊手屋さんの数だけ個性があり、同じ大きさでも飾り物の種類と数で値段が変わるからです。神社によると、熊手は小さいもので¥1,000(約 US$6)ほどから、大きいものは何十万円もし、売れ筋は¥20,000から¥50,000(約 US$130からUS$320)くらいです。

そこから商談が始まります。神社はこれを、熊手屋さんとお客さんの駆け引きと書いています。昔は、値切った分だけご祝儀として店に置いてくるのが粋な買い方とされていました。結局は言い値で買うことになりますが、お客さんはご祝儀を出してちょっとした大名気分を味わい、熊手屋さんはご祝儀をもらって儲かった気分を味わったのです。そのあと、商いが決まった印に手締めをして、家や会社の繁栄を願います。鷲神社は、これが江戸時代から続く熊手の粋な買い方だと書いています。

神社はもうひとつ、最初は小さい熊手から始め、会社や家の繁栄に合わせて少しずつ大きくしていく、という言い伝えも紹介しています。酉の市の熊手はそれ自体が手仕事の品で、買わずに露店と提灯を眺めに行くだけでも楽しめます。

市で売られるほかの品

鷲神社は、酉の市のほかの名物も紹介しています。八頭は一つの芋からたくさんの芽が出る大きな芋で、人の頭に立つ出世と子宝の縁起物です。神社によると、境内で八頭を商うのは鳥居をくぐってすぐ右手の二軒目の一軒だけになりました。上新粉に砂糖と山椒を加えて搗き、短冊に切った餅菓子の切山椒は、鳥居をくぐってすぐ右手の一軒目で売られ、境内の外でも数軒が商っているようです。

提灯のともる熊手の露店のあいだを進む、夜の酉の市の人混み

時間の選び方

鷲神社の酉の市は午前0時の一番太鼓で始まり、一日を通して執り行われます。花園神社の露店は、前夜祭は午後の半ばから、本祭は正午頃から開きます。どちらも24時頃に終わります。花園神社が入場の規制に触れているのは、提灯がともる夕方以降です。

はじめて訪れるなら、明るい時間のほうが熊手をよく見られ、熊手屋さんと話す余裕もあります。2026年の二の酉は木曜日です。提灯のともる夜は、市がいちばん混み、いちばん写真に撮られる時間です。境内をよく知る案内人がいれば、見ておきたい店へ歩き、飾りの意味や駆け引きをその場で説明してもらえます。

神事に参列したい方のために、鷲神社は11月6日と18日の午後11時15分から宵宮開運福寿祭を、11月7日と19日の午後1時から鷲祭特別祭儀を行い、参列には事前の予約が必要です。これらは宗教の儀式で、参列しなくても市は十分に楽しめます。

熊手の飾り方

鷲神社の熊手・御守の祀り方の頁によると、新しい熊手は暮れの28日に飾るのが一般的で、古い熊手を納めて買い替える場合はすぐに飾ってかまいません。なるべく高いところに、南向きか東向きに飾り、北向きだけは避けるとよいそうです。一年飾った熊手は、お炊き上げ料を添えて、求めた神社やお寺へ納めます。海外へ持ち帰った熊手は、飾りとして楽しめば十分です。

大きな熊手はかさばり、飾りは壊れやすいので、持ち帰り方を考えてから選びます。¥1,000ほどの小さな熊手もあり、暮らしの変化に合わせて、鴨居に掲げるものだけでなく置物の熊手もあると神社は書いています。

STAYGOにできること

STAYGOは、東京から日本各地の個人旅行を組み立てています。旅の日程に11月7日か19日が入っていればお知らせください。混まない時間に浅草や新宿の酉の市を案内人と歩く時間や、熊手の職人に会う時間について、何ができるかを先方に聞いてみます。できたこととできなかったことは、そのままお伝えします。お申し込みはお客様の名義で私たちがいたし、案内人や店への支払いはお客様から直接、先方の料金のままで、私たちの手数料や上乗せはありません。旅は7日から14日のSignatureプランで、より長い旅や込み入った旅はBespokeで組み立てます。

出典と確かめ方

下の公式の頁を2026年10月22日に読みました。神社、国立国会図書館、区への問い合わせはしていません。ガイドブック、予約サイト、報道の数字は使っていません。日付と時間は2026年の公表どおりで、変わることがあります。出かける前に各神社の頁で確かめてください。ドルの金額は目安で、¥158=US$1(2026年10月)で換算しています。露店の支払いは円です。

よくあるご質問

2026年の酉の市はいつですか

2026年11月の二回の酉の日、11月7日(土)と11月19日(木)です。浅草の鷲神社、新宿の花園神社、府中の大國魂神社がこの二日を挙げており、今年は三の酉はありません。

2027年の酉の市はいつですか

2026年10月22日の時点で、各神社は2027年の日付をまだ公表していませんでした。酉の市はいつも11月の酉の日に開かれ、花園神社は2026年のお知らせを10月上旬に出しているので、秋に各神社の頁をご覧ください。

熊手にはどんな意味がありますか

熊手は落ち葉をかき集める道具で、縁起物としては家の中に宝や福をかき込むといわれます。鷲神社によると、昔は商売をしている人が求めるものでしたが、いまは家内安全や健康などの願いでも求められています。

熊手はいくらくらいですか

鷲神社によると、酉の市の熊手は小さいもので¥1,000ほどから、大きいものは何十万円もし、売れ筋は¥20,000から¥50,000くらいです。値段は大きさと、飾り物の種類と数で変わります。

信仰がなくても酉の市に行けますか

行けます。酉の市は神社のお祭りで、そのまわりに大きな市が立ちます。露店や熊手を見に訪れることができます。祭儀は別に行われて予約が必要で、参列しなくても市を楽しめます。

酉の市のことをご相談ください

11月の日程をお知らせください。混まない時間に案内人と市を歩く時間や、熊手の職人に会う時間について先方に聞き、確かめられたことをお返しします。

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