スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドから来る旅人の多くは、日本の家具や建築家をすでに知っています。曲木の椅子に座り、ガラスのパビリオンを歩き、安藤忠雄の本を読んできた人たちです。次に求めるのは、それが作られている場所と、いまも暮らしの中にある町です。その答えになるのが三つの土地です。飛騨の山あいの木工の町・高山、近代の美術館が並ぶ城下町・金沢、そして瀬戸内海の直島です。

この記事では、デザインを大切にする旅人のためにこの道をたどります。飛騨の椅子、棟梁が建てた商家、金沢の美術館のガラスと水、4室だけの旅館、直島の安藤忠雄の美術館、そしてそのあいだの移動です。2026年11月5日に、美術館、家具の会社、旅館、バスと鉄道の会社、日本政府観光局、報道の頁を読み、どこにも問い合わせはしていません。出典は最後にまとめています。金沢の金箔や漆、庭園は金沢 京都の次にゆっくり歩きたい城下町 →を、直島の先の島々は直島の先へ:瀬戸内の美術の道 →をご覧ください。

要点

デザインでめぐる日本の旅のご相談 →


この道を選ぶ理由

日本政府観光局(JNTO)は、2024年の北欧市場向けの手引きで、50代以上の旅人が日本に求めるものを挙げています。伝統工芸、歴史のある宿、庭園、現代建築、美術館と現代美術です。同じ手引きには、高山、金沢、直島をすでに組み合わせたデンマークの旅行商品が並び、金沢は古い町並みが残り京都より観光客が少ないことが好まれる、とあります。

この道は、北欧の旅人が好む動き方にも合います。飛騨の山から日本海へ、そこから南の瀬戸内へと列車と車で進み、岡山と大阪の近くで終わります。東京と大阪へ通年で飛ぶフィンエアーは、日本への便を2026年夏の週28便から2027年夏には最大週32便に増やす予定です。東京に着いて大阪から帰る形が自然です。

飛騨の椅子

飛騨は飛鳥時代から木工の土地として知られ、「飛騨の匠」と呼ばれた職人たちが都の寺社を建てに送られました。高山の近代の家具づくりは1920年に始まります。いまの飛騨産業が、それまで雑炭か下駄の歯くらいにしか使われていなかった周りの森のブナで、曲木の椅子を作ろうと創業した年です。同社の沿革には、1929年にベルギーの国際博覧会へ曲木椅子を出品したこと、1953年に輸出が売上の64%に達したこと、2003年にイタリアのデザイナー、エンツォ・マーリと契約したこと、2016年にミラノの家具見本市でアトリエ・オイと作った作品を見せたことが記されています。

デザインの目で見るなら、まず高山駅から歩いて15分ほどの同社の高山店へ。全国でも最大級の家具の品ぞろえとうたい、隈研吾が手がけた椅子の並ぶカフェがあります。古い町の中のギャラリーでは手仕事と木工の道具を見せています。決まった日には第一工場を開き、13時から1時間ほどの工場見学があります。店とギャラリーは10時から18時まで、水曜と第3木曜が休みなので、日程を合わせておく価値があります。

高山の梁と光

古い町の中にある日下部民藝館は、飛騨の大工が家で何をしたかを見せてくれます。火事のあと1879年に名工・川尻治助が建て直した家で、1966年に重要文化財に指定されました。高い屋根の下に太い梁が組まれ、上から光が落ちる吹き抜けは、日本の木の建築を学ぶうえで最もわかりやすい場所の一つです。開館は10時から16時、火曜が休みです。

泊まるなら、町の南の一之宮にある倭乃里へ。庭を宮川が流れ、白川郷で知られる急な茅葺きの合掌造りの離れがあり、客室は4つの型の離れです。夕食は季節を映した会席です。北へ向かう途中で白川郷そのものに泊まりたいときは、白川郷に泊まる 2027年版:手配と訪ね方 →に手配の仕方をまとめています。

山を越えて金沢へ

濃飛バスの高速バスは、駅のそばの高山濃飛バスセンターから白川郷を経て金沢駅まで、2時間5分〜2時間20分で走ります。予約が必要な便とそうでない便があるので、席は前もって決めておくのが安心です。同じ道を貸し切りの車で行けば、日帰りの人が着く前の朝の白川郷に立ち寄れます。

大きなスーツケースは別に送るほうが楽です。高山の宿から金沢の旅館へ先に送れば、バスや車には小さな鞄だけで乗れます。方法は日本の荷物配送:ホテルからホテル、空港へ送る方法 →にまとめています。

金沢のガラスと水

2004年に開いた金沢21世紀美術館は、SANAA の妹島和世と西沢立衛による低いガラスの円です。SANAA は2004年にヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の金獅子賞を、2010年にプリツカー賞を受けています。美術館は、正面も裏もなくどこからでも入れるように円の形を選び、内と外の人が互いの気配を感じられるよう壁の多くをガラスにした、と説明しています。2024年1月の能登半島地震では、2〜3の展示室でガラスの天井板が落ちたと美術手帖が伝えました。いま美術館はウェブサイトで、大規模な修繕のため2027年5月6日から2028年3月まで休館する予定だと知らせています。2027年にデザインの旅をするなら、金沢は春がその季節です。

もう一つの建物は静かで、こちらをより好む人も多くいます。2011年7月に完成した鈴木大拙館は、ニューヨーク近代美術館の増築を手がけた谷口吉生の設計で、三つの棟を回廊でつなぎ、三つの庭を囲みます。最後の水鏡の庭は、思索空間棟という白い立方体を囲む浅く静かな水面で、人はそこに座って眺めます。町の別の場所には、谷口吉生が父・吉郎の住まいの跡に建てた谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館があり、迎賓館赤坂離宮の和風別館「游心亭」の広間と茶室を再現しています。企画展「坂茂と奥能登 災害支援の歩み」は2026年11月7日から2027年5月9日まで。開館は9時30分から17時、月曜が休みです。

海の近くの金沢海みらい図書館は2011年に開き、シーラカンスK&Hの設計で、約6,000の小さな丸窓をあけた白い箱です。丸窓が閲覧室をやわらかな光で満たします。ヘルシンキの Oodi を知る人なら、図書館を町全体の部屋とする考え方に気づくはずです。

金沢で数寄屋に泊まる

1867年創業の料亭旅館 浅田屋は、客室が4室だけの数寄屋造りの宿で、金沢駅からタクシーで10分ほどです。部屋から坪庭を眺め、夕食は吟味された器に盛る加賀料理です。エレベーターは無いと宿は記しています。デザインを大切にする人にとって、ここでの一夜は美術館で始まったことを仕上げてくれます。同じ控えめさと素材への心配りが、ひと部屋の大きさで続きます。町のあとに加賀の温泉の宿へ足をのばすなら、金沢 京都の次にゆっくり歩きたい城下町 →の終わりをご覧ください。

直島の桟橋に置かれた草間彌生の黄色い南瓜と瀬戸内海

直島で道を結ぶ

金沢からいちばん速い列車は、敦賀で乗り換えて大阪まで2時間9分です。そこから山陽新幹線で西の岡山へ。岡山から宇野まではJR宇野線で約50分、宇野からはフェリーで約20分で直島の宮浦港に着きます。長い一日になるので、私たちは大阪か京都で一泊をはさむことが多くあります。

直島では、目が木とガラスからコンクリートと光へ移ります。2004年に建てられた安藤忠雄設計の地中美術館は大半が地下にあり、クロード・モネの「睡蓮」5点、ジェームズ・タレルの作品3点、ウォルター・デ・マリアの作品1点を自然光の中で見せます。入館は日時指定の券をネットで買う形で、売り切れた日は現地で売りません。本村地区の近くに2025年春に開いた直島新美術館は、ベネッセアートサイト直島で安藤の10番目の建物で、アジアの作家を紹介しています。どちらも月曜が休みです。

美術の中に泊まるなら、1992年に開いたベネッセハウスへ。美術館とホテルが一つになった建物で、客室はミュージアム、オーバル、パーク、ビーチの4棟にあります。2027年初めについての知らせでは、テラスレストランとビーチ棟が1月4日から3月4日まで、ホテル全体が1月12日から18日まで休みます。豊島や犬島など直島の先の島々は直島の先へ:瀬戸内の美術の道 →をご覧ください。

いつ行くか 私たちの手配

この道には、たいてい7泊か8泊をあてます。高山に2泊、金沢に3泊、途中に1泊、直島に2泊です。2027年はいつもより季節が大事になります。5月6日より前の春なら、21世紀美術館と坂茂の展示の最後の数週間に間に合います。フィンエアーの便がいちばん多い夏は、金沢の重心を鈴木大拙館、建築館、工芸の工房へ移します。休館日にも暦が要ります。日下部民藝館は火曜、飛騨産業の店は水曜、金沢の建築館と直島は月曜です。

7日から21日の旅を計画する Signature では、宿、バスと列車のつなぎ、日時指定の券、荷物を並べ、旅館、車、ガイドを手配します。ベジタリアンやヴィーガンの食事は、旅館を手配するときに頼んでおくのがいちばんです。選び方は日本のベジタリアン懐石とヴィーガンの美食 →にまとめています。宿と見学の支払いは、それぞれといちばん簡単な形で済ませます。多くは宿の会計か当日のお支払いです。

出典と確かめ方

2026年11月5日に、下の頁を読みました。移動時間は丸めています。美術館、家具の会社、旅館、交通の会社、そのほかどこにも問い合わせはしていません。

よくあるご質問

金沢21世紀美術館は2027年に開いていますか

5月初めまでは開いています。大規模な修繕のため2027年5月6日から2028年3月まで休館する予定なので、ここを入れるなら2027年は春に金沢へ行くのが確実です。

高山から金沢まではどのくらいかかりますか

濃飛バスの高速バスが白川郷を経て2時間5分〜2時間20分で走ります。予約が必要な便もあるので、席は前もって決めておくのが安心です。同じ道を貸し切りの車で行く方法もあります。

金沢から直島へはどう行きますか

列車で大阪へ(敦賀乗り換えでいちばん速くて2時間9分)、山陽新幹線で岡山へ、JR宇野線で宇野まで約50分、フェリーで直島まで約20分です。大阪か京都に一泊すれば、無理のない2日になります。

地中美術館の券は前もって必要ですか

必要です。日時指定の券をネットで買う形で、売り切れた日は美術館で売りません。月曜が休みです。

高山で家具を作るところを見られますか

飛騨産業が決まった日に第一工場を開き、13時から1時間ほどの見学があります。高山店とギャラリーは10時から18時まで、水曜と第3木曜が休みです。

デザインでめぐる日本の旅のご相談

日程と、気になる家具の工房や建物、美術館をお送りください。休館日、日時指定の券、泊まる場所を重ねて道を描き、どの見学も開いている日に入るようにします。

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手配するお店やバーには、紹介制や会員制のところもあります。お客様に代わってお願いし、お席と日取りはお店の判断によります。名前は公開していません。

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