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海外のお客様が予約前に宿へ聞くこと

海外のお客様が予約の前や到着の前に宿へ尋ねることは、おおむね決まっています。食事、寝具、夕食の時刻、お風呂、子ども、荷物、到着の七つです。答えを先に用意し、こちらから先に尋ねておけば、返事は早くなり、分かったことを当日の準備に回せます。
旅館にも海外のお客様が泊まっている
2025年の外国人の延べ宿泊者数は1億7,992万人泊でした。旅館に限ると、延べ宿泊者数7,945万人泊のうち外国人は1,028万人泊で、12.9%にあたります。
日本政策金融公庫の2025年の調査では、ホテル・旅館業の88.3%が、最近1年間に外国人観光客の利用があったと答えています。同じ調査で、外国人観光客を受け入れていく方針のホテル・旅館業に受け入れる際の課題を尋ねると、最も多かったのは「多言語に対応ができる従業員の確保」で、47.2%でした。
海外のお客様はすでに多くの宿に来ていて、多言語で受け答えのできる人の確保が、宿の課題の筆頭にあります。
予約の前後に届く七つの質問
STAYGOは東京を拠点に、海外からのお客様の日本の旅を、計画の段階から滞在中までお手伝いしています。旅を組むあいだ、お客様から宿についてよく届くのは次の七つです。
- 一 食物アレルギーと食事の制限 菜食、グルテン、甲殻類がよく聞かれます。菜食と一口に言っても、肉だけを控える方もいれば、魚や卵、乳製品、魚のだしまで控える方もいます。どこまでを控えるのかを尋ねないと、調理場は準備ができません。
- 二 寝具の素材 枕の中身や布団の素材を尋ねられます。そば殻の枕のように、アレルギーに関わるものがあるためです。
- 三 夕食の始まる時刻 移動の都合で到着が遅くなるお客様は、夕食に間に合うかを気にされます。最終の開始時刻が決まっていれば、その場で答えられます。
- 四 貸切風呂とタトゥー 貸切風呂があるか、予約が必要か。タトゥーがあっても大浴場や貸切風呂を使えるか。館の決まりがはっきり書いてあれば、お客様は自分で判断できます。
- 五 子ども 何歳から泊まれるか。子ども用の食事や布団があるか。
- 六 次の宿への荷物 大きな荷物を次の宿へ送りたいという相談です。宿で受け付けられるか、何時までに出せばよいか。
- 七 到着の時刻と送迎 何時までに着けばよいか。駅からの送迎はあるか。何時の列車なら間に合うか。
返事が遅れると何が起きるか
答えによって予約を決めるお客様は、返事が届くまで先へ進めません。到着の前に返事ができても、分かったことが調理場や客室の係に届かなければ、準備には使えません。
STAYGOが宿へ確かめたときにも、アレルギーのように、その場では答えが出ない質問がありました。調理場に確かめないと答えられない質問ほど、早く届いている必要があります。
宿が先に用意できること
- 決まりを先に書いておく 夕食の最終開始時刻、貸切風呂の使い方、タトゥーの扱い、子どもの受け入れ、送迎の有無と時刻、荷物の受け付け。一度書いておけば、誰が受けても同じ答えを返せます。お客様の多い言語で、短い文にしておきます。
- こちらから先に尋ねる 予約の確認のあとに、食事の制限(何を、どこまで)、寝具の希望、到着の予定時刻、子どもの年齢、荷物の予定を尋ねます。聞かれる前に聞いておけば、答えは到着の前に揃います。
- 答えを日本語で一か所にまとめる 集まった答えは日本語にして、前の晩に当日の担当の方へ渡します。到着の順、夕食の時刻、食事の注意、送迎を一枚にしておけば、当日の朝は読むだけで済みます。
- 対応できる範囲を決めておく アレルギーについては、調理場で分けられるものと分けられないものを先に決めておきます。対応が難しいときに早くお伝えすることも、準備のうちです。お客様は、そのぶん別の手を考える時間を持てます。
尋ね方の三つの工夫
- 選ぶ形で尋ねる 自由に書いてもらう質問は、訳すのにも読むのにも手間がかかります。「甲殻類を控える」「魚のだしも控える」のように選べる形で尋ね、選べないことだけを書いてもらいます。答えは短くなり、日本語にしたときの取り違えも減ります。
- 一度にまとめて尋ねる 質問を何通にも分けると、答えの揃わないお客様が出てきます。予約の確認と同じ時期に、一度でまとめて尋ねます。
- 答えの期限を書いておく 「到着の何日前までに」と期限を添えておくと、調理場の仕入れや部屋の支度に間に合う時期に答えが揃います。期限を過ぎても答えのないお客様だけに、もう一度尋ねれば足ります。
まとめ
七つの質問は、どれも宿の側で先に答えを決めておけるものです。
出典
- 観光庁「宿泊旅行統計調査(2025年・年間値(確定値))」(外国人延べ宿泊者数 1億7,992万人泊)
- 観光庁「宿泊旅行統計調査報告(令和7年1〜12月)」令和8年7月(表3。旅館の延べ宿泊者数 7,945万人泊、うち外国人 1,028万人泊。12.9%は表3の2つの数字から算出)
- 日本政策金融公庫「生活衛生関係営業者のインバウンド対応動向」2025年9月1日(図表4。ホテル・旅館業 n=179 のうち、最近1年間に外国人観光客の「利用がある」88.3%。図表14。今後の受け入れ方針を「積極的に受け入れていきたい」「自然体で受け入れていく」と答えたホテル・旅館業 n=159 のうち「多言語に対応ができる従業員の確保」47.2%、複数回答2つまで)